【第3話】「女性も手に職の時代!」と繰り返し「将来何がしたいか」を聞いてくる母の真意とは!?/家にまつわるマイヒストリー

家にまつわるマイヒストリー

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【第2話】祖父の住んでいた狭い平家建てに 「もしも私たち家族四人が移り住んだら」の妄想が止まらないでは、私が建築士を目指すきっかけになった出来事をお伝えしました。

子どもというのは「お母さん」の影響もかなり受けるようです。時代の流れと女性の生き方を考えさせられます。

今日はどちらかというと母の話

 

小学生の頃から問われてきたこと

幼稚園の卒園式あたりから「将来は○○になりたいです!」と人前で言う機会が増え、家でも母から引き続き「靖子は何がしたい?」「どんな職業が自分に向いていると思う?」と問われることが多くなりました。

「幼稚園の先生かな…」「何ができるかよくわかんない」と初めは答えていた気がします。

母が寝込んでいることが多いので必然的にできるようになった「ご飯を作ること」や「マッサージ」のスキルはどんどん上がっていたので、自分のできることが職業なのか、人に喜ばれることがいいのか、はたまた新しい夢を見つけたらいいのか自分でも何を子どもに求められているか、よくわからん、と思っていた気がします。

 

これから女性が活躍する時代になるから手に職が必要!というメッセージ

何かを押し付けたりは絶対にしない母だったのですが「何になりたい?そのためにどうする?」と聞いてくるので、私自身の意識は高くなっていました。

ある日、よく新聞を読んでいた母が急に「やっちゃん(今でもこの愛称)手に職が必要よ!」と言ってきました。法律が変わったのか女性の主張が話題なったのかは忘れましたが、いつもより興奮気味。

珍しいことだったので、とりあえず子どもなりにも知恵を絞って

・手先が器用だから美容師(ならいけるかな)

・食いっぱぐれが無さそうだから看護師(これは母からの提案)

・子ども好きだから保育士(なら想像できる)

なんだか決めるのも早い気がしましたが、話し合いつつ今想像できる3パターンまで絞り込んだのでした。

 

母の真意は「自分のようになって欲しくない」だった

何度も私に夢を聞いてきたのには理由があったようです。当時、母の兄は大学に進学できたものの、下に妹二人いたという経済的な状況で大学進学を諦めました。

元々洋服が好きで当時最高峰と思われるオーダーメイドの世界で、洋服を作れるようになるため服飾の専門学校でデザインから縫製まで学んだのです。

当時着ていたワンピースやスーツもほとんど自分で作っていたとか!今では考えられませんね。

しかし、専門学校に通っている頃から状況がどんどん変わっていき、洋服は「安くて大量生産」の時代に突入。作ることが好きだった母が販売員になることはなく、働き口もない。「こんな時代にオーダーメイドで誰が頼むの?」というくらいニッチな世界になりました。

※生前整理を進めていた時に(まだ生きています)「これだけは捨てられない〜」と見つかったもの。

卒業時にデザーナー志望でいこう!と一瞬思ったようなのですが、そこまでの飛び抜けたセンスが無い、、、縫製の世界よりも狭き門だった

オーノー…

今なら女性でも、ネットを駆使してビジネスができる人もいるかもしれませんが、その頃は結婚がゴール…服飾の仕事は将来が見えずにきっぱりと諦めたようです。

赤ちゃんの私と兄。みんなそっくり…ですか?笑 もちろんこのワンピースも母が自分で縫ったもの。兄のスーツも手縫いかも。

これだけスキルもあって働きたいでも先が見えない。自分や子どものために洋服を縫ったり、セーターを編んだり刺繍をしたり(ほんとに細かいことができる人)趣味で終わらせていました。

趣味で楽しめるだけでもいい、とも言えるかもしれないけれど、「私のやりたかったことは仕事にならない」という思い…

「好きを仕事に」だけではなく、世の中の求められていることを仕事にしないとうまくはいかない

子どもに「勉強しなさい」「あれやれこれやれ」をほとんど言わないのに、この考えだけは、伝えたかったのかなと思います。

 

まとめ

我が家は母も専業主婦(働くのは好きだから時々パートタイマー)とサラリーマン家庭ではありながら、今考えると「将来どんな職について、どうやって稼ぐのか」自然に「女性が手に職を持って働くのは当たり前」という考えができたのは有り難かったなと思います。私にも子どもがいるので、自分の思いや発言には気をつけよう、、、(他の意味で)

 

つづく

 

次回は【第4話】中学生で人生初めての大挫折!高専の建築学科を受けるもまさかの不合格

これは今思い出しても辛いです、、、お楽しみに♩

 

 

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